2025年05月23日
【コラム】所持している教員免許は有効?教員免許更新制の廃止とともに解説
大学などで教員免許を取得したけれど、一般企業に就職する方も少なくありません。そして、一般企業に勤めていて「教員に転職したい」という方、教員を辞職したけれど「教員として復帰したい」という方もいらっしゃいます。
教員に転職・復帰する際に気になるのは、所持している教員免許が有効なのかという点でしょう。特に2009年から導入された教員免許更新制のことを知っている方には、非常に気になるところだと思います。
今回は所持している教員免許が有効なのか、教員免許更新制の廃止の件とともに解説していきます。
教員免許更新制が廃止に
2009年に教員免許更新制が導入され、10年ごとの更新制度がありました。教員として必要な資質能力が保持されることを目的とした制度で、更新には免許状更新講習の受講期間に30時間以上の講習を受ける必要がありました。
2022年7月1日に施行された改正教育職員免許法で、教員免許状の更新制度が廃止されました。これにより、施行日以降に新たに授与される教員免許状は有効期限なく、生涯有効なものとなります。さらに、施行日時点で有効な教育免許状は、手続きなく、有効期限のない免許状となります。
2022年6月30日までに授与され、失効した免許状については、自動で有効となることはありませんが、都道府県教育委員会に再授与申請手続を行うことで、有効期限のない免許状の授与を受けることが基本的に可能です。
更新制度廃止後の免許状の取り扱い
法改正によって、自分自身の教員免許はどのような取り扱いになっているのか、気になるものですよね。まず、改正法施行日の2022年7月1日時点で、免許状の有効期間が満了しているか否かを確認しましょう。
●有効期間の満了の日(修了確認期限)が2022年7月1日以降
施行日時点で有効な教員免許状(休眠状態のものを含む)は、自動的に有効期限のない免許状となるため、手続きは不要です。
●有効期間の満了の日が2022年6月30日以前
2022年6月30日までに有効期限を超過した免許状については、旧免許状、新免許状によって扱いが異なります。新免許状と旧免許状とは、教員免許更新制の導入の前後で免許状を取得した人の区分です。
・新免許状
更新制が導入された2009年4月1日以後に免許状を取得した人が該当します。
→手続きなく、有効期限のない免許状に
有効期間の満了の日が令和4年6月30日以前の場合
→免許状は失効
・旧免許状
更新制度導入前に免許状を取得した人が該当します。旧免許状の場合のみ、修了確認期限超過時点で現職教師であったかどうかにより、「失効」「休眠」の扱いが異なります。免許状や各種証明書を紛失して修了確認期限が不明な場合、当該免許状の授与を受けた都道府県教育委員会から授与証明書を取り寄せて確認してください。
→免許状は失効
修了確認期限時点で現職教員でない場合(休眠状態)
→手続きなく、有効期限のない免許状となります。
休眠状態のものとは、有効期限を超過した時点で非現職教師(ペーパーティーチャー)だった人が持つ、「休眠」扱いの旧免許状(2009年3月31日以前に初めて免許状を授与された者が保有する免許状)を指します。これまで休眠扱いの免許状を持つ人=ペーパーティーチャーが教員免許を必要とする職業に就く際には、更新講習を受講して免許を回復させる必要がありましたが、2022年7月1日をもって自動的に有効な免許状となりました。
【施行日前に有効期限を超過した教員免許状の扱い】
「失効」扱いの免許は復活できる?
所持していた教員免許が失効していたらどうすれば良いのか、不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
「失効」扱いの免許は基本的に、都道府県教育委員会に再授与申請手続きを行うことで、有効期限のない免許状の授与を受けることが可能です。以下に手続きの一例を示していますが、手続きの詳細は都道府県によって異なります。文部科学省ホームページの「免許状授与手続窓口一覧」で申請先を確認し、直接問い合わせましょう。
手続方法 |
・郵送 |
必要書類 |
1)授与申請書 各証明書類は発行から3か月以内のものに限る場合が多い。 |
費用 |
手数料として1種類3,300円程度 |
期間 |
申請書を提出してから約2か月で授与 |
申請先 |
「再授与」として書類の省略等の便宜を受けたい場合、当該免許状の授与を受けた都道府県に申請 |
2022年7月1日時点で有効な免許状は、免許が失効する心配はなくなりました。「教員に転職したい」「教員として復帰したい」という方にとって、後押しする法改正と言えるのではないでしょうか。今一度、保有する教員免許の有効期限を確認してみてはいかがですか?
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