2024年09月19日
【コラム】”広域”通信制高校と”狭域”通信制高校の違いは?
通信制高校への教職員を目指そうと、通信制高校について調べていく中で「広域通信制高校」「狭域通信制高校」が出てきます。
この二つの違いはいったい何なのでしょうか?今回は「広域通信制高校」と「狭域通信制高校」の違いについて解説していきます。
通信制高校は「広域」と「狭域」に分かれている
まず、通信制高校は学校教育法によって、全国から生徒を募集することを認められています。一方で、全日制高校や定時制高校は、原則として学校のある地域に住む生徒しか募集できません。
通信制高校はインターネットやテレビ・ラジオを活用して勉強でき、レポートの作成から提出までネットで完結できるコースもあるため、「日本中どこからでも入学できる」と思われがちです。しかし、すべての学校に入学できるわけではなく、入学できる地域は各学校で決められています。
通信制高校は生徒募集ができる範囲によって「広域(こういき)通信制高校」と「狭域(きょういき)通信制高校」の2種類に分かれます。
通信制高校の広域と狭域の違い
通信制高校は、入学できる範囲の違いで「広域」と「狭域」に分かれています。広域通信制高校は、入学できる地域が3都道府県以上で、基本的に私立校です。一方、狭域通信制高校は、入学できる地域が学校のある県+隣接する1都道府県に限られています。
あくまでも広域通信制高校と狭域通信制高校の違いは、生徒を募集できる地域の大きさのみ。取得できる高校卒業資格の違いはありません。
・広域通信制高校
広域通信制高校は、3つ以上の都道府県から生徒募集できます。入学条件は、該当地域に居住か勤務地を持っている人に限られます。
広域通信制の大半は私立校で、中には全国から生徒を募集している学校もあります。募集範囲が大きい学校では、地域によっては校舎がないこともあります。そういった地域でもスクーリングが行えるように学校の所在地以外にもスクーリングを行える施設を持ったり、協力校や学習センターといった外部の教育機関と連携して環境を整えている学校もあります。
また、集中型スクーリング用の宿泊施設を備えたり、オンライン授業などを行いスクーリング回数を減免したり、校舎がない地域でのスクーリングの負担を軽くする試みを採用している学校も少なくありません。
※スクーリングは、放送・メディア視聴を行うことで6〜8割減らすことができます。
・狭域通信制高校
狭域通信制高校は、生徒を募集できる地域が学校の所在地の県+隣接する1都道府県に限られています。狭域通信制高校の多くは公立校で、公立の通信制高校は都道府県の教育委員会が管轄しています。
例えば、神奈川県に学校がある場合は、隣接している東京都、山梨県、静岡県のうち一つを募集エリアに追加できます。東京都が追加の募集エリアとして認定されたら、山梨県と静岡県では生徒を募集できない=山梨県と静岡県に住んでいる人は入学できません。
狭域通信制高校は一般的に、スクーリングできる施設が本校だけであることがほとんどです。また公立の通信制高校は、私立の通信制高校と比較するとスクーリングの施設が少ない傾向があり、近隣の協力校でスクーリングを実施する学校もあります。
狭域通信制高校の多くは公立ですが、近年は狭域通信制高校として認可・開校する私立校も増えています。
この記事では、「広域通信制高校」と「狭域通信制高校」の違いについて解説しました。
通信制高校の学校数・生徒数は増加傾向にあるため、教職員の需要は高いと言えます。生徒募集の際に、広域通信制高校と狭域通信制高校について説明する機会にあう可能性もあるでしょう。学校広報になりたいという方などは、きちんと理解しておくと役に立つかもしれませんね。
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