2024年10月08日

【コラム】高等専修学校とは?高等専門学校・専門学校との違いを含めて解説


 

 

通信制高校に関連する学校として「高等専修学校」を目にすることがあると思います。高等専修学校について、あまり耳馴染みがない、初めて見聞きしたという方もいるのではないでしょうか?

 

今回は高等専修学校について、専修学校の仕組みや高等専門学校・専門学校との違いを含めて解説していきます。

 

専修学校のしくみは?


高等専修学校は「専修学校」にカテゴライズされます。専修学校とは、都道府県知事の認可を受けて設置される教育機関で、「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ること」を目的としています。

 

職業に直結する知識や技術と、社会に出てから必要な教養を身に付けられる教育機関で、入学資格の違いによって、専門課程・高等課程・一般課程の3つに分かれています。

 

中学卒業者を対象にしている「高等課程」の学校が「高等専修学校」です。専門知識と技能を学びながら、高卒と同等の資格取得を目指すことも可能です。専修学校高等課程と呼ぶ場合もあります。

 

高校卒業者もしくは高校卒業程度の者しか入学できない、「専門課程」のある学校が「専門学校」です。高等課程と専門課程の二つを併せ持っている学校もあり、その場合は学校名は「○○専門学校」となります。「○○専門学校」という名称でも「高等課程」があれば「中学卒業者」も対象となります。

 

そして、専修学校の中で入学資格に制限がないのが、一般課程です。専門学校や高等専修学校以外の教育を実施し、学歴に関係なく幅広い年齢層の人が学べる教育機関です。

 

高等専修学校とは?

高等専修学校は学校教育法に定められている学校で、中学卒業生を対象に職業教育に重点を置いた教育を行っています。

 

高等専修学校は、学習指導要領の適用を受けない学校づくりができ、これが職業教育に特化した学校づくりの背景になっています。国語、数学、英語といった高校普通科目を学びにくい生徒を受け入れられる特長にもなっています。職業教育の一方で、支援が必要な生徒のための教育も行っています。

 

柔軟な仕組みを活用して、ひきこもりや不登校経験者、高校中退者、転入生の受け入れにも積極的に行っている学校もあります。多様化する生徒のニーズに柔軟に応える後期中等教育機関として社会的な評価も高まっています。

 

高等専修学校で学べる内容は、文部科学省によって以下の8つの分野に分けられます。実際には、複数の分野にまたがった学習内容の学科もたくさんあるので、幅広い内容の学習が可能ともいえます。もちろん、実生活に必要な教養も学習範囲なので安心です。

 

【高等専修学校の8分野と学科】

 

「大学入学資格付与指定校」「技能連携」とは?


通常、高等専修学校を卒業しても高校卒業資格は与えられません。つまり、大学や短大受験資格を得ることができないのです。

 

しかし、3年制以上の学校のうち、文部科学大臣が一定の要件を満たしていると認めた指定校の修了した場合は、高校卒業者と同様に大学入学資格が与えられ、大学や専門学校への進学についても高等学校卒業者と同等に扱われます。

 

この指定校のことを「大学入学資格付与指定校」と呼びます。この指定校では、高校普通科目も週に4コマ以上は行われ、専門分野を深く学びながら大学や専門学校への進学にもそなえられるようになっています。

 

また、高等課程の多くは専門課程(専門学校)を併設していることが多く、高等課程の3年制を卒業後に学内推薦などを利用して専門課程に入学することもできます。  

 

また、3年制の高等専修学校の中で通信制高校などと提携している学校もあります。こうした学校を「技能連携校」といい、卒業時に高等専修学校卒業と高校卒業の両方の資格を取得することが可能です。

 

高等専修学校での学習成果の一部を、卒業に必要な単位として認め、さらに高卒資格も与える制度という仕組みです。

 

高等専門学校・専門学校との違いは?

 

高等専修学校と似た名称の学校として「高等専門学校」「専門学校」があります。特に高等専修学校と高等専門学校は混同されることが多いのですが、それぞれ全く違う学校の種類です。

 

専門学校は、高校卒業者を対象とした高等教育機関です。学べる専門分野が多岐に渡り、2年制の学校が多くなっています。2年制以上の専門学校で授業を合計1,700時間(62単位)以上を修了すると、大学へ3年生として編入する資格がもらえます。

 

高等専門学校は、中学校卒業者を対象とした高等教育機関です。5年間の一貫教育により、一般科目と専門科目を効率的に学び、現場で即戦力となる優れた技術者を養成することが目的の学校です。卒業者には准学士の称号が付与されるほか、5年生を卒業した後に進学できる2年制の学科「専攻科」に進学することもできます。

 



この記事では、高等専修学校について解説しました。中学卒業後に進学できる専門分野を学べる学校として、「高等専門学校」「高等専修学校」がありますが、通信制高校でも専門分野を学ぶことができます。

 

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