2024年11月15日

【コラム】技能連携校とは?仕組みや学べることについて解説!

 

 

通信制高校や高等専修学校について調べていると、「技能連携校(技能連携制度)」という言葉を見かけるかもしれません。あまり馴染みがなく、調べてもよくわからないという方もいらっしゃるでしょう。

 

 今回は、技能連携校についてその仕組みやカリキュラムなどを解説していきます。

 

技能連携校とは?

技能連携校とは、「技能連携制度」を利用して専門的な勉強をしながら通信制高校で高校卒業資格取得を目指すことのできる学校のことを指します。

 

「技能連携制度」は学校教育法第55条で以下のように定めています。

「高等学校の定時制の課程又は通信制の課程に在学する生徒が、技能教育のための施設で当該施設の所在地の都道府県の教育委員会の指定するものにおいて教育を受けているときは、校長は、文部科学大臣の定めるところにより、当該施設における学習を当該高等学校における教科の一部の履修とみなすことができる」(学校教育法 第55条1項)

 

技能連携制度は、通信制高校に在籍しながら連携している技能教育のための施設=技能連携校で、専門科目を履修できるというものです。技能連携校は、具体的には教育内容や設備が充実した高等専修学校、専門学校、職業訓練学校を指します。教員やカリキュラムなど必要な条件をそろえ、都道府県教育委員会から指定を受けます。

 

技能連携校は、通信制高校で高等学校の卒業資格取得を目指しながら、仕事につながる知識やスキルを身に付けられます。

 

技能連携校の仕組みは?

技能連携校の仕組み

 

技能連携校で学びたい場合、技能連携校と通信制高校の2つの学校に入学し、卒業まで双方に籍を置きます。

 

「2つの学校に通うとなると、勉強が大変なのでは」と思うもの。技能連携校では、専門科目の一部を高校の卒業科目として認定する「技能連携科目」があります。技能連携科目は、高校卒業に必要な単位数の2分の1以内まで認定することが可能です。高校での学習全てがプラスされるわけではないため、学習の負担は減らされます。

 

通信制高校の学習(レポート、スクーリング、テスト)は技能連携校の中で行うため、専門科目を学びながらでも効率的に高校卒業を目指すことが可能です。なお、連携している高校はほとんどが私立通信制高校です。 

 

卒業時には、通信制高校と技能連携校の卒業証書を同時に受け取ることができます。高等専修学校であれば、高等専修学校卒業と高校卒業の2つの卒業資格が手に入ります。この場合は全日制の通学が必要です。

 

技能連携校のカリキュラムは?

技能連携校では、実社会を渡っていくための知識やスキルを学び、専門的な資格の取得ができるような指導を進めています。

 

具体的には、商業(商業英語、簿記など)、工業(電気基礎など)、家庭(調理、服飾など)、福祉など職業にかかわる専門科目と国、数、英などの高校普通科目を同時に学べます。自動車整備士や美容師といった国家資格、介護福祉検定、簿記検定といった資格を目指すことができます。

 

学校によって学ぶ内容と技能連携科目の科目数などは異なり、各学校が掲げる教育方針のもと、普通科目と専門科目をバランス良く組み合わせてカリキュラムを編成しています。学習スタイルは週5日登校が一般的なようです。

 

技能連携校の運営元は?

専門学校が技能連携校としてスタートすることが多いですが、都道府県に承認されれば、民間企業でも開校することができるという特徴があるため、企業が開校している場合もあります。

 

運営に大手企業が携わっていることもあり、トヨタ自動車(トヨタ工業学園 高等部【科学技術学園高等学校と技能連携】)や日立製作所(日立工業専修学校【科学技術学園高等学校と技能連携】)など国内トップ企業が開校しているケースもあります。企業が関わっている学校であれば、教科書では学べない専門的な技術や、高い技術・技能が身につけられるでしょう。また卒業後も、関連企業に就職しやすいというメリットもあります。

 

他にも塾や全日制高校を運営する学校が技能連携校も共に運営しているケースもあり、進学や社会性を身につけることを主軸に置いた教育が行われています。

 



この記事では、技能連携校について解説しました。

 

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