2025年05月19日

【コラム】通信制高校の求人でよく見かける業務内容「スクーリング(面接指導)」とは?

通信制高校のスクーリングについての記事のサムネ

 


 

通信制高校での就職を検討中の方が気になるのは、やはり仕事内容でしょう。通信制高校の教員の求人を調べていくと、業務内容の中に「スクーリング」という記述を目にすることと思います。

通信制高校は学校に通学せず通信教育を中心に授業を受けるイメージがありますが、実は一定日数、学校に登校して先生から対面授業を受けなければなりません。これを「スクーリング(面接指導」といい、生徒にとっても教育にとっても重要です。

今回は、そんな「スクーリング(面接指導」について解説します。

 

スクーリングとは?

通信制高校のスクーリングとは、学校に登校して先生から対面で指導を受けることを指し、正式には「面接指導」と呼ばれるものです。

通信制高校に限らず高校を卒業するためには、①74単位以上の修得、②通算3年以上の在籍、③30時間(3年間合計)以上の特別活動への参加が必要です。

通信制高校の単位は、「レポート」「スクーリング」「試験」を通じて取得していきます。決められた回数のレポートを提出し、決められた時間数のスクーリングに出席することで単位認定試験を受験でき、その試験に合格することで単位を修得できます。

特別活動とは、社会性や個性を育み、心身の成長を促すための集団活動のことで、ホームルーム活動や委員会活動、学校行事などがこれにあたり、スクーリングの際に参加します。このようにスクーリングは高校を卒業するためには欠かせません。

通信制高校の大きな特徴は、全日制や定時制とは異なり、毎日学校に通う必要がないというところにあります。基本的には自学自習で勉強をして添削指導として課すレポートをこなし、わからなかった部分をスクーリングで教えるスタイルです。

スクーリングでは、先生からレポートの解説を聞いたり、試験前には試験のポイントについて教えてもらったり、学習の理解を深めるためにプリントに取り組んだりします。スクーリングは「授業」ですので、実際に面接指導を行ったり、その評価をしたりするのは、各教科の教員免許状を取得している実施校の教員が行います。

 

スクーリングの日数は?

通信制高校の標準的な面接指導の時間数は、文部科学省による学習指導要領で示されており、公立の通信制高校の場合は年20日ほど指定場所でスクーリングを受けます。全日制高校の場合は年間175日程度通学しますので、通学日数の少なさがわかります。

先ほど「スクーリングは年間約20日程度」と記しましたが、私立の通信制高校では多様なメディアを利用して行う学習を導入することでスクーリング日数を短縮している学校もあります。ラジオ放送やテレビ放送、インターネット授業などを使った学習で、面接指導や特別活動の時間を60〜80%減免することが可能です。

ただし、すべてをメディアでの学習に置き換えることはできないため、スクーリングがない=0日という通信制高校はありません。

 

スクーリングの頻度は?

スクーリングの頻度は、週3~5回、月1~2回、年4回程度など、学校によって異なります。同じ通信制高校でも、様々なコースを用意している学校では、コースによってスクーリング日数が違うこともあります。

そのため、自分のライフスタイルや学習スタイルに合わせて、スクーリングを選ぶことが可能です。一人で学習を進めることに不安があったり、学校生活を楽しみたいという生徒はスクーリング日数が多い高校やコース、仕事やスポーツ・芸能活動、病気の治療などと学習を両立させたい生徒はスクーリング日数が少ない学校・コースを選択しているようです。

 

スクーリングはどこで受ける?

スクーリングは各地区の地方教育委員会や学校教育委員会などが認定した会場で受ける必要があります。基本的には以下の3種類で、学校によって異なります。
 

・普段通学している校舎
普段から通学している校舎がスクーリングの指定会場になっている場合です。学校によっては本校だけではなく、全国にあるサテライト施設がスクーリング会場として認定されていることもあります。通常の登校日がスクーリングを兼ねているので、別の会場に行く必要はありません。

▶︎サテライト施設とは
生徒が日常的に通うことができる学習拠点のこと。広域通信制高校の場合、広い地域から入学できるため各地域に学習拠点となるサテライト施設を置いている場合が一般的です。法律上では「通信教育連携協力施設」と呼ばれ、スクーリングができる施設は「面接指導等実施施設」と呼ばれます。


・スクーリング指定会場
各都道府県でスクーリングの指定場所が設けられており、指定された場所で行われることがあります。この場合は、大学や専門学校、予備校などが協力施設として指定されていることが多いです。


・集中スクーリング
合宿型のスクーリングです。本校が遠方にあり、その本校がスクーリングの指定会場になっている場合に、3泊4日〜1週間連続で集中して開催されます。地方だけではなく、首都圏で集中スクーリングを行う学校もあります。

 

サポート校ではスクーリングは行われない

サポート校はあくまで通信制高校に通う生徒の支援を目的とした民間の教育機関であり、通信制高校と異なり「高等学校」として認可されていません。そのため、サポート校だけでは高校卒業資格を得られません。

進級や卒業にかかわる単位認定、卒業認定は提携する通信制高校が行うことで、生徒は卒業資格を得ることができます。日常的な学校生活はサポート校で行い、提携する通信制高校で必要最低限のレポート提出、スクーリング、試験を行う形です。

ですので、サポート校のスタッフはスクーリングそのものを行うことはなく、スクーリングの引率を行います。そのためサポート校のスタッフは、必ずしも教員免許を所持している必要ない、ということになります。

 



この記事では、通信制高校で実施される「スクーリング(面接指導)」について解説しました。

通信制高校で単位を修得し、卒業を目指すためには、スクーリングが必要不可欠です。そして、そのスクーリングの実施、およびその評価は、各教科の教員免許状を取得している実施校の教員が行うこと、とされています。

通信制高校の学校数・生徒数は増加傾向にあります。そのため、通信制高校やサポート校の教職員の需要が伸びていると言える状況です。通信制高校やサポート校の教職員を目指したい方は、当サイトの「求人情報」をチェックしてみてください。

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