2025年05月21日

【コラム】高校教員を目指すための知識!教員免許状の種類や取得方法を紹介

教員免許状についての記事のサムネ


 

正規の高校教員として教壇に立ち、授業を行うには、教員免許状を取得し教員として採用されることが必要です。今回は、教員免許状の種類や取得方法について紹介します。

 

教員免許状は3種類

教員免許状は各校種ごとに下記の3種類があります。

●普通免許状
●特別免許状
●臨時免許状


●普通免許状
普通免許状は一般的な教員免許にあたり、「教諭」「養護教諭」「栄養教諭」の免許状があります。教員免許状は校種ごとに免許状が分かれており、中学・高校の教員免許状は校種に加えて教科ごとに分かれているので、国語、数学、理科、社会、英語など各教科を専門とした免許状になっています。

さらに普通免許状は「二種」「一種」「専修」の3つに分類されています。この種別は免許取得に必要とする単位数で異なるため、教職課程を履修した学校によって区分が変わってきます。二種・一種・専修によって、実際に教員として働く上での違いはありません。そのためクラス担任や授業等はどの免許状でも同様に受け持つことができ、免許状の種類で待遇に大きな差が出ることも基本的にはないと言えます。

ただし、高校の教員免許については、二種免許状がありません。高校教員になりたいということであれば、大学または大学院の卒業が必須なので注意しましょう。

教員免許の種類

 

なお、「二種の免許しかないが、高校の教師になりたい」「所持しているのは二種免許状だけど、将来的に管理職を希望したい」など、上位の免許に切り替えたい場合、いくつかの条件をクリアすることで切り替えができます。

3年以上の勤務経験を基に、教職課程のある大学院や大学の専攻科で規定の単位を修得することによって、免許状を修得することができます。また、都道府県教育委員会や大学等が行う免許法認定講習・公開講座・通信教育等を受講して単位を修得することも可能です。   

参考:文部科学省「教員免許状に関するQ&A」


●特別免許状
特別免許状は、学校教育の多様化への対応や活性化を図ることを目的に、普通免許状を有していない優れた経験や専門的な知識を持つ社会人等を教員として迎え入れるための免許状です。

推薦、または任命によって授与され、特別免許状は授与を受けた都道府県でのみ使うことができます。特別免許状を取得した後は、普通免許状を持つ「教諭」と同じ待遇を受けられます。

授与要件は、① 担当教科に関する専門的な知識経験や技能を有すること、② 社会的信望及び教員の職務を行うのに必要な熱意と識見を有することとされています。

特別免許状を取得するには、以下のステップを踏む必要があります。

  • 任用者(都道府県教育委員会、学校法人など)の推薦
  • 都道府県教育委員会が行う教育職員検定(人物・学力・実務・身体)の合格


●臨時免許状
臨時免許状は、普通免許状を有する人材をどうしても確保できない場合に限り、例外的に授与する「助教諭」の免許状のことです。学校の種類別・教科別の助教諭、もしくは養護助教諭が対象となっています。

教育職員検定に合格することで授与され、授与を受けた都道府県のみ適用されます。有効期限は3年間とされていますが、相当期間にわたり普通免許状を持つ人が採用されない場合に限って、6年間まで有効期限を延長可能です。

 

教員免許状の取得方法

教員免許状の取得方法は3パターンあります。

●教職課程のある大学・短大・専門学校で取得
●教員資格認定試験に合格する
●教育職員検定に合格する


●大学・短大・専門学校・通信大学
教員免許状を取得する方法として最も一般的な方法です。教職課程のある大学・短大・専門学校・通信に入学し、法令で定められた科目及び単位を修得することで、対象となる校種の普通免許状を取得できます。卒業後、各都道府県教育委員会に教員免許状の授与申請を行うことが必要です。

すでに大学を卒業している場合は、大学に再入学して教職課程の単位を修得するか、科目履修生として特定の科目だけ履修するかして、普通免許状を取得することができます。

●教員資格認定試験
教員資格認定試験は、大学等で教職課程を受けていなくても、意欲や教員として必要な資質、能力がある人が教育現場で働ける機会を提供するために、文部科学省が実施している試験です。

教員資格認定試験の種類・受験資格は下記の通りです。

教員資格認定試験の種類・受験資格

 

令和6年度より特別支援学校教員資格認定試験は当面の間休止とされ、高等学校(情報)教員資格認定試験が再開されました。合格者は高等学校教諭一種免許状(情報)の授与を受けることができます。

●教育職員検定
教育職員検定は、各都道府県教育委員会が実施する検定です。合格することで、特別免許状を取得することができます。担当する教科に関する優れた知識や経験、技能を有する社会人等を学校現場に迎え入れるためのもので、検定によって特別免許状を授与されます。

 


今回は教員免許について解説してきました。

高校で正規の教員として働くためには教員免許状を有していなければなりません。しかし、教員免許を持っていなくても教員として働ける方法もあります。また、通信制高校では教員免許を必須としていない求人もあります。働きながら通信制大学で教員免許の取得をサポートしている学校もあるようです。

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